日本を取り巻く安全保障環境は、ますます複雑で不安定なものとなっています。日本は、この変化に適応すべく、宇宙、サイバー空間、電磁スペクトルを含むすべての領域で防衛能力の整備に取り組んでいます。これらの目的は、自衛隊を持続的で、且つ広範囲な活動に対応できる、柔軟で質の高い組織に再編することです。    

日本には、幅広い分野で、世界をリードする技術力を持った防衛産業基盤があります。しかし近年、防衛省は、高度な防衛システムの多くを米国からの購入に頼っており、米国のFMSプログラム（Foreign Military Sales：対外有償軍事援助）で導入される装備品やシステムの割合は、装備予算の5％強から25％程までに増加しています。 日本の産業界はこれらのFMSプログラムから除外されているというわけではないものの、その役割は主役というよりもサプライチェーンの一部にとどまります。

日本政府は、国内の防衛産業基盤を強化し、国際的な競争力と輸出力を持たせることを急務としています。この達成に向けた戦略は未だ明確ではありませんが、いずれは、世界をリードする海外の防衛企業と日本の企業との新しいパートナーシップの構築が増えることが見込まれます。